あわれ
かわいそう
のあまりに
足を向けることも
こわい
と
そうなっていたんだなあ
と
秋めいてもきた早朝
また
その
こわくなってしまってたお部屋へゆき
お洗濯
もの始末の
つづきのためのもの
気をつけて…
気をつけて…
と
移してた
なにしろ…
二日間
まるで眠れていない
犬死にだなあ
このままじゃ
って
ワンコに
ごめんだなあ
シーちゃん
って
ふらふら
よろよろ
移して
分別して
死のお片付けとは
価値あるもの
のみと暮らす
とか読んだ
そうならば…
価値
とは?
と
最低最悪でも
使えることだなあ…
と
おもってた
ものたちが
ただ整理と
しまうだけのために
どこかに
しまわれていたら
どこに
なにが
どんなに
きれいに
整理収納されてたとしても
一向に
使えないんじゃないか…
いまごろか…
いまさらか…
ほんとうの
ばか
って
ほつれて
やつれて
お役を果たしたものは
ありがとうして始末した
かなしいものは…
かなしくて
捨てられないものは…?
どうしよう?
ママ…
って
ながめた
ながめて
ながめて
わいてくる
かなしみ
見つめてた…
やがて
ママ
姉上さま
わたし…
三人
うかんで
三人
わらっている
わらっている
わたしたち
うかんで…
うしなってしまった
と
ただ
かなしくなっていたけれども
いちにち
いちにち
あたえられる
この
いま
の
ありがたさ
と
同様に
いちにち
いちにち
すっかり
とりこまれてゆく
すでに
あたえられていたもの
の
おかげで
それから
ここに住まわせてもらっているばかりか
ほんとうなら
到底
生きてられないような
役たたぬわたしというものを
こちらに来てから
ずっと
ずっと
支えてきてくれた
姉上さまのおかげ
と
すがってよい慈悲
ではないのになあ…
と
すっかり
こころが
からだが
よわって
おちたり
しずんだり
ゆらゆら
波立つばかりの
悪のわたしで
ごめんなさい…
ありがとう…
と
また
ひたすら
ひたすら
洗っていた
ぜんぶは
終えられないなあ
でも
ひとつ
ひとつ
ひとつ
しか
ないなあ…
って
ばか
の
利
もし
あるとしたならば
ぼうっとしてるためか
めったには
苛立たない
はらはら
どきどき
おっかなくはなるし
こわくて
こわくて
びくびく臆病だけど
利口なひとたちのように
手際よくなんてゆかないけど…
劇的
は
絶対
ないけど…
ばかのゆえ
かなえてもらったことも
いっぱい
いっぱい
あるんだろうなあ
って…
パパが買い込んでいたバケツやハサミ
安っぽいものなんだけど捨てられず…
それら
使って洗ってたり
敷物も切って小さく巻いて捨てられた…
重たくて移動できない大物も切って捨てられた…
犬
ごめん
だけど…
犬死にじゃなく
ひとの死
へと
向かおう…
パパ
ママ
の
子
姉上さまの
妹
そうして
死んでくんだ…
死のお片付けなんだよ
って
ふさわしく
と…
ただし…
体力なくて
においにも
倒れそうになっていて
よたよた
ちまちまと
ちょっとずつ
気をつけて…
と
つないだ
いいや…
つなげてもらってる…
って
ありがとう
って
お祈りした
ありがとう…
ごめんなさい…
かなしみ
生きているから…
おおきな
おおきな
かなしみの
目で
光で
見ていてくれる
もう
天国のひとたちと
祈りと
死のお片付け
つないでもらえるよう
お祈りした
祈る…
祈る
今日が
無事に終わってくれていること
明日
あたえられること
こころ
平和にあること
祈ります…
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい