奈良美智さん
ご飯を
神さまの食べ残しって言ってたなあ…
食べて
食べて…食べても
どっかには恐怖と
おっかないこころと食べてるんだけど
それで生きてこられた
まだ
生きていて
まだ耳は聴こえてる
今日は
いまは
生きているいまなんだパパママ
シーちゃんに言ってるのか
パパママやお浄土のひとに言ってるのか
もうわからない独り言
死にそうになりながら
南無阿弥陀佛と
死なないための
食べ物のための
外出
冒険?
そんなときには
いっそう激しくなってしまう独り言
どうしてか
敬愛するわずかのひとは
同類?みたいな…独り言する孤独のひとだったり…
奈良美智さんも
永田和宏さんも
真夜中のラジオ
冒険家になった女優さんのインタビュー
小学校をdrop out?さぼりたくって
あんまり勉強ができなくて芸能へ?
なんかものすごい笑うひとで
まるでずうっと小学生みたい…
とても不思議なひとだった
賞を取った映画
奈良美智さんが
よい映画って言っていて
深刻で陰惨なんだけど
とてもよい映画だった
永田和宏さんは奥様への深い愛情と
喪失の痛みとあって
一時期怒っていたり…
とても心配していた
もう
怒るひとでない…いや
もとより怒るひとでなかったって
安堵した
それもラジオ番組でわかったこと
くるしい朝
眠れない夜
食べて生きるきりのいちにち
獣でないと
言えること
祈り…
南無阿弥陀佛
南無 なも
阿弥陀 あみた
佛 ぶっだ
たのみます帰依します
時間的空間的に量れぬ
佛さま
南無阿弥陀佛
本屋さん
わたしの
ひととの
社会との接点の
すべて
だったのに
もうゆけない
本
読めないんだけど…
不思議に
一冊
だけ
開いて読める本ある
奈良美智さんの本だ
NARA48GIRLS
48って…!って
うれしかったんだけど
編集者さんが決めてた
でも
36に12絵を足して48にしたのは奈良美智さん
十八願
おもう
南無阿弥陀佛
くるしい
くるしい
今日
ただ生きて
ただ食べて
ふとっている悪
恥ずかしいけど…
一切他力の身には
まったくふさわしくない
わかっているんだけれど…
長い不安によってそうなったのもわかる
恐怖に食べることによって
そのおかげでも
生きてこられたってことも
お経
お経おとなえは
よきことと
おもわれるならすでに迷いの闇の
悪だ
ラジオに
永平寺の朝の勤行が…
南無阿弥陀佛
いつかみたお寺のお位牌堂の赤飯
おもっていた
赤まんま
って言いたいような…
ひと食べられない赤飯だなって
お供えのためのそのためだけの…って
ひと目でわかってしまうご飯だった
半紙の上に
ずらりと並べられて不気味だった
おばあちゃんとママが
つくっていた法界折り
きれいで
ぜんぶ美味しい食べられるお供え
おもっていた
悪
もう
ひと
でも
無い?
夜
ようやく
お仏壇のまえ座った
なんにもかなえられない
どこにも
一歩
も
踏みだせない
南無阿弥陀佛
ラジオもニュースは聞けなくて
音楽にしていた
音楽が聴けたらなあ…
淡谷のり子さんの若き歌声って
ラジオではじめて知ったんだけど…
ほんとうにすばらしい声と情感で
ラジオ
まだ
聞けてるなあパパ
って
おしまいにパパ
なんにも見ずに
なんにも聞かずに
自分へと
かえりつくところへと
向かっていったかなあ…
戦争の
まえのような
いま
祈らせてください
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
量りては憂ふ雲霞の独り我
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
はかりてはうれふうんかのひとりわれ
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
よかれと為せば
もう悪しきこと
文字
ぐわぐわ迫る
頭
ぐるぐるこわさ渦巻く夜も
食べられて
ふとるほど食べられて
ごめんなさい…
生きているって
生きているよ
ごめんなさいって座っている夜
伝えなくてならないことも
伝えられない
ごめんなさい
おねえちゃん
ありがとう
ごめんなさい
夜
ただ
無事
祈ります
無事にいてください
倒れていませんように…
転ばないように
夜
こえて
無事にかならずこえられて
明日
かならず
かならず
つなげられること
祈ります
祈らせてください
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい