シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

あたらしい風

よどみ

沈む

 

こころか

脳なのか

 

それとも

奥深くの

病のせいか…

 

わからないまま

 

ただ

かなしくなる

 

 

生きるうえで

だんだんと

こころが

ざわめくもの

 

はらはら

ひりひりするもの

増えてしまう

としたら

 

不幸なこと

わかる…

 

 

こらえろ…

 

こらえろ…

 

自分に言う

シーちゃん

 

そうして…

 

いつしか

すべてのひとびとの

幸福

 

こころの

平和

祈っているのだった…

 

 

それにしても

 

なにもかもが

遠くて

 

果てしなくおもわれて

生きる

精一杯で…

 

わたしには

ひとつとして

かなうもの

手の

とどくもの

 

ないなあ…

 

おもわれては

 

むなしくなって

 

 

そんな

おもいに

飲み込まれてゆくのは

ほんとうに

愚か…

 

 

東日本大震災

ご遺体の修復と

死化粧の

ボランティアをしていた女性の

ドキュメンタリーを録画してたのだけれど

 

少しまえ

ようやく

途中まで

みれた…

 

消してしまわずに

残しておいた

 

いたましいけれども

 

救い

光明

感ぜられたから…

 

 

 

ママの

最後のお化粧を

してあげた

させていただいた

 

お顔は

亡くなった

そのままでも

とても

安らかだったけれど

 

お化粧して

 

起き出してくれそうに!

 

生き生きと

うつくしくなってくれて…

 

いたわしくて…

 

 

もったいなくて…

 

 

ほんとうは

 

かなしくてたまらなくなったのだった…

 

こうして

おもいでには

なってくれないから

いつまでも

 

いつまでも

 

かなしみ

おしよせるのだろうか…

 

わたしだけが

かなしんでは

いけないんだ…

って

 

姉上さまや

おつれあいさん

弟夫婦

みんなと

 

笑ってみせてた

わたし…

 

それから

 

もう

後悔ないだろう

 

という

おじさんの言葉…

 

古屋に起きた

ちいさいけど

過酷な

異変の

連続…

 

待って

待って

 

待っていた

コロナの

終わりに

やはり

 

依然として

無用の

おのれを

知らされた

 

ひとり

知らされた…

 

 

なにが

つらかったのかさえ

もはや

わからなくなってしまった

 

 

本も

読めないほどの

こころとは

 

わたしには

とても

きびしくて…

 

生きるために

読んできたんだな

わかった

 

 

仏教の本

難解で

不勉強で

旧い漢字も文体も

おぼつかなくて

 

それでも

いまは

 

いちばん

いちばん

わたしに

ちかい

おもわれるのだった…

 

そして

生きている人では

唯一

奈良美智さんの

本と…

 

 

この国に

文化に

 

あたらしい風

おくりこんだ

聖徳太子

 

 

いつも

その

最初のところ

 

仏教が流布する

はじめ

読みかえす…

 

 

どこかから…

 

あたらしい

清浄な風

吹いて

 

いま

この国が向かおうとしている

軍事大国

などという

 

不気味な

大風呂敷を

 

ふっとばしてくれ…!

 

祈った…

 

 

曖昧模糊

から

知らぬまに

勢いづいてしまう

暴力の

暴走が

 

戦争だ…

 

 

仏教は

かろうじて

この国に

生き残っていて

 

それでも

こんな

ちっぽけな田舎の平和も

ゆらいでしまっている

 

 

こわい事件に

 

曖昧なままに

いつのまにか

すすめられてゆくことに

 

ならされてしまっては…

 

あきらめてしまっては…

だめだ

おもった

 

自分にも…

 

 

自らの心をありのままに知りなさい

 

如実知自心

 

という

ありがたい言葉に

めぐまれた

夜…

 

ありがとう…

 

 

生きていて

よいのですか…

 

問うて

問うてゆく

そうして

 

ここまで

生きてきた

わたし

 

無力の

わたし

 

祈るしか

なくて…

 

祈りを

つなげた…

今日も

 

生きてる…

 

 

ありがとう

 

 

ひとり

ひとり

生きる

ちがっていて

 

ひとつ

ひとつ

光明

与えられるんだろう…

 

 

明日は

 

ないかもしれなくて

だからこそ

 

明日は…

という

 

生きる

希望も

あるんだろう

 

 

一日

生きて

 

夜…

 

お経は

夜のお経の

おしまいは

また

 

修証義

総序から…

 

ありがとう…

 

 

かなしくて

たよりなくて

 

お釈迦さま

 

阿弥陀さま

 

仏さまたち…

 

 

ちかく

ちかく

きてくれたようにおもえた…

 

 

お花は

 

赤いカーネーション

 

パパからもらった石で

つくった

いつもの

お数珠で

 

何度も

 

何度も

祈った

 

 

平和な

こころと

 

おだやかな夜

むかえられているように…

 

一日

生きて

 

一日

平和へと

むかってゆけるように

 

今夜も

明日も

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

また

明日

 

おやすみなさい