シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ねっ!

被膜

って…

 

緊張で

手が震えた

じっとり冷や汗が出た

両手を

拳にして脇を締め

 

「お願いします」

と、まっすぐ前を向いた

 

覚悟とは裏腹に

しっかりと目を見開いたまま

 

泣いていた

呼吸も表情も、そのままで

ひたすら涙だけがこぼれる

 

さすがに

いくらわたしでも

(泣くな!)と

我を戒める

 

(泣いている場合じゃない…)

 

 

最初

肝臓の被膜下に貯留したものは

胆汁が疑われた

胆嚢との癒着が

画像ではっきりわかった

 

間一髪

 

ぎりぎりのところで

ここにたどり着いた

 

泣いてなんかいられない

 

あのERの一夜から…

 

看取りへ

 

 

 

 

今朝は

昨日降った春の雪が

あわててるみたいに融け始め

屋根から落ちる雪融け水の音が

にぎやかに響く

 

昨夜はまた痰がからんで

その後は

悪夢にうなされ

 

朝の栄養も

ママは夢の中で…

 

歯科治療の間に…

とか

夜は

最悪の想像を妄想のようにかきたてるから

 

百人一首

宮澤賢治の童話が必要なのだ…

眠れぬ夜の闇から

古の人たちのせつない恋心や

うつくしい心の人が作った物語

 

の隙間に

 

窒息ならば

さくら色になるんだろうか…とか

邪なわたしの

無駄な想像が顔を出して

 

朝になって

 

ママに

処置終わって

 

ねっ!☺️

って言ったら

 

目を、きらっ!とさせて

 

うん、うん…

 

 

ねっ!☺️

 

うん、うん

 

 

金属アレルギーが

爆発しないうちに…

ママのために

自分のために…

 

 

まあ仕方ない

歯科の先生は、限りなくやさしい

ある意味?

同病相憐れむ?的なところあり…

 

なんとかなるさ

頑張ろう

みんな

全部

頑張ろう

 

眠っていないんだけど

 

希望しかないみたいな

 

よいお天気

 

さあ

お昼の栄養だよ!

 

ありがとう